アンドリュー・ロウ著『10ステップでかんたん!魔王の倒しかた』作品解説(6)です。今回は脇役たちを紹介します。といっても既に述べたように、チョイ役さえも主人公と同等の深みを感じさせる、という不思議な作風こそが、アンドリュー・ロウという作家の最も素晴らしいところであると私は思います。本作品の脇役たちも実に魅力的です。
ベックス
妖精といえば、「ゼルダの伝説」シリーズに必ず出てくるキャラクターである。その役目は、リンクを全回復させること。瓶に閉じ込めて持ち運ぶこともできるので、キャラクターとアイテムの中間のような存在といえる。
ただし、ベックスに関していえば、「時のオカリナ」の「ナビィ」が特にモデルであると考えられる。時オカのナビィは、リンクを終始サポートし、とりわけ親密な仲にある。
ナビィがしょっちゅう「Hey, listen!(ねえ、聞けって!)」などとリンクに叫び散らすのは、非英語話者には可愛らしく響くけれども、英語では命令口調に聞こえ、イラッとさせる要素だったようである。ベックス(vex =英語で「苛立たせる」)という名前はそこからきている。
さて、これは訳者の考えだが、この作品におけるベックスは、ユウもケンも気付いていないようだけれども、レベル256かもしれない。なぜなら、もしこの世界の妖精族にもレベルの概念があるとすれば、水の神殿の勇者が自分と同じレベルまで成長させたと考える方がむしろ自然だからである。数人を次々に全回復させたり、ポーションを何本使っても足りなかった瀕死の魔王を一発で回復させていることからも、ベックスの力の大きさが窺い知れる。勇者の影の攻撃を阻止したときも、じつは勇者の影の方が攻撃を中断したわけではなく、ベックスが念力のような力で実際に押し留めていたのかもしれない(つまり、水の神殿の勇者と腕力で張り合えるのかもしれない)。
作品中で「ニンゲンなんていつでも殺せる」という台詞があるけれども、これは実は、「人類を絶滅させるなんて簡単」という意味かもしれない。可愛らしいみかけに騙されてはいけない。
ちなみに登場シーンは両手を拳にして持ち上げた姿勢であるから、偶然ながら『刃牙』シリーズの花山薫の有名な構えに似ている。実につよそうだ。
ベックスもリーフィ―グリーンも、勇者以外の人間とは一度も会話をしていない。おそらく妖精族は存在の種類が違いすぎて、勇者という例外を除いてはそもそも人間など気にも止めていないのである。たとえて言うなら、台風や地震が人間のことなど気にしていないのと同じこと。気まぐれ(と、太古の契約)を除いては、人間を害しようとか助けようとかは、わざわざ思ったりしないのだ。ただしユウのことは、水の神殿の勇者と似ていると思ったせいか、きちんと勇者として認めているようだ。
ベックスはふだん寝ているし、いつも眠そうである。これはおそらく、水の神殿の勇者を待つあいだ――つまり百年間――一睡もしなかったからである。
怒りっぽいけれども、すぐに機嫌を直す。ユウが水の神殿に連れていったとき、ベックスが怒ったのは、いろいろとアドバイスをして、ちゃんと順番に神殿をクリアさせようと思っていたからである。本当は親切で世話焼きなのだ。
水の神殿の勇者
水の神殿の勇者がレベル256なのは、なぜだろうか? 256というのは 2の8乗、つまりファミコン世代には懐かしい「ステータスをカンストさせたときの数値」である。通常はレベル99かレベル100が最高値なのであろう。しかし水の神殿の勇者は、なんらかのバグ技を使ってレベル256にしたのだ。史上最強の勇者との評価が確立されているほど圧倒的に強いのは、それが理由であるに違いない。
原文は Water Temple Hero。本名は明かされないので「水の神殿の勇者」と呼ぶほかない。
水の神殿の勇者は左利きである。これは「ゼルダの伝説」シリーズのリンクが多くの場合は左利きという設定であることを踏襲している。
水の神殿の勇者が呪われて変じた姿である「勇者の影」というのは、「ゼルダの伝説」シリーズに実際に登場する敵の引用である(シャドウリンク、またはダークリンクと呼ばれる)。
無口なのは、もちろん、「ゼルダの伝説」シリーズの主人公、リンクは喋らないからであろう(というか、任天堂キャラの多くは喋らないけれども)。ベックスとは手振りを使って会話している。原文で「サインランゲージ(手話)」という語は使われておらず、「ジェスチャー(身振り手振り)」と書かれているので、手話とは訳さなかった。しかしケンでもかなり理解できているのだから、この世界における一種の共通手話なのだろう。
フィッツジェラルド姫(= 名無しのカゲ)
年齢は、ユウやケンと同じくらいであろうか。
洞窟の老人でさえユウが女であることにひと目で気づいたのに、フィッツジェラルド姫はケンがユウのことを「彼女」と呼ぶまで気づいていない。どうやら、ケンのような察しの悪さ、あるいは伝統による思い込みの強さがあるようだ。
「勇者というのは若い殿方…」とまで口走っているのは、お姫様にしてはやや不躾である。どうも、勇者と結ばれることを夢みていたのではないだろうか。そのせいで失望とともに口走ってしまったのではないかとも思われる。
フィッツジェラルド姫は本当に誘拐されたのであろうか? それとも、自分で城を出てニンジャをしていたのであろうか。本文からはわからない。もしかしたら、誘拐されたのは本当だけれども、ときどき抜け出してニンジャをしていたのかもしれない。
忍者の衣装はどうやって調達したのか? 自分で発注したのかもしれないし、自分で作ったのかもしれない。はたまた、お城の仮装パーティーのときなどに作らせたものを流用したのかもしれない。ともかくその黒い衣装には、王家の紋章の刺繍がばっちり入っているようだ。
誘拐されるのがお約束であるところは、マリオシリーズのピーチ姫にも似ている。自分で戦うところは、近作のゼルダ姫に似ている。ニンジャという職業は、ファイナルファンタジーシリーズの伝統であろうか。
ミステリアスな登場をして秘密の旋律を教える、という役割は、ゼルダの伝説『時のオカリナ』に登場する「シーク」そのままである(シークは、シーカー族の生き残りを自称する謎の青年。リンクの行く先々でハーブを奏でて不思議なメロディを授ける。赤い瞳に金髪、顔の殆どを布で覆い隠している。正体はゼルダ姫)。
ケンは、ひと目で姫だとはわからなかったものの、忍者=姫であることはすぐに受け入れて調子を合わせている。つまりこの世界では、どんな変装(または魔法による変身)をするかは未定でも、姫が勇者を手助けすること自体は伝統なのであろう。
フィッツジェラルド姫が扮する「名無しのカゲ Nameless Kage」の原語は日本語の「影(かげ)」をそのまま採用しており、英語版朗読では「カーゲー」と外国語風の発音をされている。
ゼルダの伝説の「ゼルダ」というのは、もともと、任天堂の宮本茂らが、アメリカの有名小説家 F・スコット・フィッツジェラルドの妻、ゼルダさんの名前から取ったものである(ゼルダ自身も有名人であり、近年は再評価が進んでいるようである)。したがって、ゼルダ姫 → フィッツジェラルド姫という作者のもじりは、ゼルダの伝説の開発史をふまえたもじりである。
ダーク・ロード
「魔王の誕生」というのが、赤ん坊として生まれることを指すのか、魔王の称号を受け継ぐことを言うのか、本文からは不明である。しかし、ケンやユウと歳が離れていそうな描写は特にないので、D歴4400年ちょうどに生まれたと考えてよいだろう。だとすると、ユウたちと出会ったときに24歳程度であろうか。
「背が高い」と明記されているので、たぶんケンよりも背が高い。ユウと同じく、ダークもまた、なぜか伝統に縛られていない。おそらく、早くも十代のうちに軍事の才能を発揮して、人間や亜人の国を次々に攻め落としたのである。
ユウたちと最初に会ったときに読んでいた本は、もしかしたら、『友だちを作る方法』とか、そういう本かもしれない。魔族には同年代の友だちが一人もいないのである。
喋るのが苦手で、発声につかえてしまうようだ。しかし、「魔王」として喋っているときは大丈夫なようである。
魔王であるゆえか、うまく喋れていないと指摘した人は今までいなかったかもしれない。どうも、ユウに指摘されるまでは自覚がなかったようでもある。
「ゼルダの伝説」シリーズの魔王といえば、ガノンドロフ。「100年に一度生まれる」というのも、「砂漠の民ゲルド族に百年に一度だけ生まれる男児」というガノンドロフの設定に対応している。
その一方で、玉座の真裏に隠し通路を設けているという点や、勇者に世界の半分を提示する伝統があるという点、第二形態に変身するという点は、ドラゴンクエストシリーズの魔王と同じ設定である(本人は第二形態に変身するつもりはなく、女神の罠だったようだけれども)。ガノンドロフも「魔獣ガノン」という第二形態を取ることがある。「時のオカリナ」では、右手の甲の「力のトライフォース」を光らせたあと、魔獣ガノンに変身している。
職業名が「ダークロード(闇の帝王 Dark Lord)」で、本名もダーク・ロード(Dirk Lord)というのは、明らかに変である。本人も、もしかしたら疑念を抱いているかもしれない。しかしおそらくは、側近たちに聞いても「そんなことはありません。いいお名前です」としか答えないであろう。それで自分でもいい名前だと無理やり思い込むことにしているのである。ユウはダークの繊細なところに触れてしまったのだ。
本作品のダークは、外見は人間と変わらないようである。ローブの上から鎧の一部をつけているけど胸の下半分は覆っていない、というのはガノンドロフと同じ。ただ、『FF7』のセフィロスもそんないでたちだなあ、などとも連想される。長身・大剣・中二病ということでいうと、魔王ではないけれども、「ゼノブレイド2」のジーク・B・極(アルティメット)・玄武なども思い浮かぶ。
英語の「ダークロード Dark Lord(闇の帝王)」というのは、例えばハリポタシリーズのヴォルデモート卿もそう呼ばれていることからわかるように、英語のファンタジー作品のラスボスの典型的な称号である。デーモンキング(魔王)というのもほぼ同義であり同じくらい典型的な称号である。
本作品のダークの本名、Dirk Lord の発音は本当は「ドゥーク・ロード」が少しだけ近い。Dirk というのはオランダまたはドイツに起源を持つ名前であり、よくある名前とまでは言えないけれども極めて珍しいというほどでもない(米国の名前ランキングで千位くらい)、といったところのようだ。
ただ、もし邦訳で「ドゥーク・ロード」とした場合、魔王の駄洒落であることがわかりにくいし、発音もしにくいのでダーク・ロードと訳した。
ダークは何を考えてユウたちの仲間になったのであろうか?
訳者はこう考える――仲間になったふりをしてうまく誘導し、ペンタクレストを確実に手に入れつつ殺してやろう、というのがダークの作戦であった。しかし心の隅では、ユウならば歴史のサイクルを終わらせる手がかりを知っているのではないか、あるいは見つけ出すことができるのではないか、という淡い期待も抱いていたのではないか。
そう考えると、ダークのどっちつかずな感じ(ユウと本当に仲間になりたかったようにも見えるし、最後の戦いをいやに引き伸ばしている)が説明できるかもしれない。
ダークは中二病であろうか? 外見や言動がときどき中二病っぽいけれども、実際に魔王として育てられ実力も伴っているので、自然な言動がそのまま中二病っぽく見えてしまう、真面目すぎて空回りしてしまうことが、表面的には中二病的に見えてしまう、といったところではないだろうか。
ユウの母(本名の記載なし)
商人で、家族の稼ぎ頭。そのほかにはあまり描写がない。なんとなくではあるが、ユウはどちらかというと母親よりも父親に親しみを抱いていそうな感じもする。
結婚指輪がスキルレベルに極端に貢献したのはなぜか? 訳者の推測だが、おそらく、指輪に込められた個人的な感情が非常に強いから、かもしれない。ということは、夫のことを異常なほど愛している、といったバックストーリーがあるのかもしれない。
ユウの父(本名の記載なし)
学者というのは、もともと定年などあってないようなものである。したがって、「引退した学者」というのは、かなり違和感のある設定である。
したがって、こんな想像ができる。ユウの父は、なにか伝統に反する研究をしたせいで、大学あるいは教会から追放されてしまったのである。それで仕方なく、家業を手伝っているのだ。それは一体、どんな研究だったのか?――ずばり、「普通の人間が勇者になる可能性」に関係する研究だったのかもしれない。
訳文で明示することはできなかったけれども、ユウの父は、「パターンが分かれば、次は、私たち we で効率性を調べることができる」と言っている。we と言っているということは、ユウがスキルのレベル上げをしたとき、実は父親もかなり手伝ったのかもしれない。
なぜユウは伝統に縛られていないのか?ということの理由も、もしかしたら、父親の研究となにか関係があるのかもしれない。
髭のお爺さん(本名の記載なし)
不思議な松明が灯された真っ暗な部屋にいる老人、というのは、初代「ゼルダの伝説」に登場する古株キャラである。
役に立たない謎めいたアドバイスをくれる、というのは、英語版の初代「ゼルダの伝説」のネタである。英語版だけでお爺さんが発する「最も東の半島にその秘密がある」というわけのわからないアドバイスが、多くのプレイヤーを困惑させたのである(一種の誤訳というか、理由はわからないけれども当時の英訳者が意味不明な台詞にしてしまったらしい)。
不死身かつ無敵、というのも、多くのゲームのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)のお約束である。(だが、もしかしたら、過去の勇者といった可能性もあるだろうか…?)
ユウをひと目見て女だとわかったようである。しかし、「女なのか?」とは口に出さなかったあたり、人格の上品な老人であることがわかる。
ちなみに、疾走の勇者(明らかにRTA走者である)が「爆弾を付けた矢を放ちながら後ろ向きで出て行った」のは、爆風でおじいさんを「ひるみ」状態にさせて、会話をキャンセルするためと思われる。後ろ向きというのは、高速移動のための有名なバグ技であろう。
リーフィグリーン
少なくとも数千年は生きている大妖精。もしかしたら数万年生きていてもおかしくない。
外見は「少女」と記されている。が、口調の方は、英語版朗読を参考にすると、やや年配の婦人のような(おばちゃん的な)喋りかたである。なので、そのようなイメージで訳してみた。
原文 Leafy Green というのは、「葉のような緑」の意である。
マイティ・モードラゴン
ボディビルディングに一家言ありそうな半蛇人。魔王四将軍の先鋒。
「筋肉の達人、膨張の支配者、マイティ・モードラゴン」と名乗っているけれとも、「筋肉の達人」が種族名、「膨張の支配者」が二つ名、マイティ・モードラゴンが本名であろうか。
ユウに雑な扱いをされがち。地の文でさえ「筋肉の王者」と名前を呼び間違えられている。というか魔王からも、えらく雑な扱いを受けている。
原文 Mighty Mordragon は、マイティは「強い」、モードラゴンは意味不詳だけれどもドラゴンの亜種を指すだろうか。
ダークピッチ・ブラックソウル
魔王四将軍の二番手。
外見は、ローブを着た闇ということなので、ファイナルファンタジー・シリーズの黒魔道士のような、意外とかわいい感じかもしれない。ローブ姿で顔の見えないの魔法使いは「ゼルダの伝説」シリーズにも「ポゥ」という定番キャラとして登場する。
性別はわからない、と登場時に書かれている。けれども、そのあとで闇の総督が「どうして奴 he は…余の称号を…」と愚痴っているので、ダークピッチ・ブラックソウルは男性であると断定できる。
いつも闇の総督のための称号を勝手に取ってしまう。どう考えても、闇の総督のことが好きなのである。闇の総督のほうは、そのことに気付いていないようだ。
「我は闇の執事、漆黒の大主教」と名乗っているけれども、この「執事 deacon(ディーコン)」というのは教会(プロテスタント諸派など)の役員名であり、貴族などの上級使用人という意味での執事 butler(バトラー)とは関係ない。カトリックでは「助祭(じょさい)」、正教会では「補祭(ほさい)」と訳される。しかし「助祭」「補祭」では朗読で聞いたときにわかりにくいし、肩書きとして響きが弱い。なので「執事」と訳した。読者を誤解させてしまうのは申し訳ないけれども、プロテスタント諸派では普通の用語のようなので、ご容赦願いたい。
この執事というのは、(宗派によるけれども)平信徒から選出される役職であり、聖職者ではない。一方、「主教」というのは、教区のトップとなる極めて地位の高い聖職者である。したがって、執事なのに大主教というのは矛盾しているので、たぶん笑うところである。虚無の総督の称号を勝手に取ったせいで、こういう矛盾した名乗りになったのだろう。
原文は Darpitch Blacksoul 、ダークピッチ=泥炭のように真っ黒、ブラックソウル=黒い魂、である。
虚無の総督
魔王四将軍の三番手。
原文は Viceroi of Void で、Viceroi =総督、 Void =虚無である。自分の肩書をうろ覚えなのは、おそらく、V で頭韻を踏むのがかっこいいとか、適当な理由で肩書を選んでいるからであろう。
外見は、毛むくじゃらの大きな獣の手を持っていて、闇に溶け込むような黒い存在のようだ。ダークピッチ・ブラックソウルはローブ姿が見えていたので、その点でだいぶ違う。「ゼルダの伝説 夢を見る島」のラスボス「シャドー(英名:Shadow Nightmares)」がモデルであろうか。ゼルダの伝説シリーズでいうと、ほかにも「幽霊四姉妹」、「封印されし者」、「ブラックシュアイズ」など、近いモンスターはいそうだ。
他の四将軍は、名前が三つの部分からなっている。おそらく、種族名(または職業)・二つ名(または魔王軍での肩書き)・本名だろうか。しかし、この虚無の総督は、「余は…虚無の総督…闇の執事…」と名乗ったところでユウに台詞をさえぎられてしまった。したがって、このキャラに関しては、本名が不明である。
ダークピッチ・ブラックソウルに好かれているようだが、気づいていない様子だ。
性別はわからない。訳者の中では、どちらかというと女性かな……? この物語世界はかなり男女平等なので、魔王四将軍のうち、女が一人だとバランスが悪い気がする。するとやはり、虚無の総督は女であろうか。それなら男二人女二人となる。
だがもちろん、男性という可能性もある。あるいは、ノンバイナリー(男女どちらにも当てはまらない)といった可能性もある。ロウ氏の他作品にはノンバイナリーの人物が当前のように登場している。
フェイタルフラワー
魔王四将軍の四番手。
悪意の妖精(パーニシャス・ピクシー)は種族名、堕落妖精(だらくようせい、フォールン・フェアリー)はあだ名、フェイタルフラワーが本名と思われる。Fatal Flower =死に至らしめる花、といった意味合いである。
ベックスと面識があるらしく、何やら因縁ありげな妖精。ベックスよりも年上な感じがするけれども、同年配なのかもしれない?
魔王を倒せなかった二人の勇者のうちの一人、バッドエンドの勇者を裏切った妖精。
しかし、この物語の世界観からいうと、なにか事情があって裏切ったのではないだろうか。たとえば、当時の勇者がすごく悪い奴だったとか……。
さて、これでキャラクターたちをほぼ全員紹介できました。
あとは翻訳の苦労話、訳語の選択について、ロウ氏の他の作品群についてなど、まだまだ語りたいことはあるのですが、今まで以上に細かな話となってしまうので、作品解説はいったんここで終わりにしようと思います(といっても、また時間があれば書くかもしれませんが)。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
『10ステップでかんたん!魔王の倒しかた』アンドリュー・ロウ著
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